~感情の実用書ではない小説を~小川洋子『約束された移動』【感想・評価】

~感情の実用書ではない小説を~小川洋子『約束された移動』【感想・評価】 純文学

どうもSoneyuです!

年に300冊の本を読み、普段は書評や映画の記事を書いています!

さて、今回も面白い本を一冊読み終えたので書評をしていきたいと思います。

本あんまり読まない子
本あんまり読まない子

『約束された移動』ってどんな本?

どこが面白い?

私に合ってるのかなあ……

そんな人のための記事です。

ぜひ最後までご覧ください。


今回紹介するのは、小川洋子著『約束された移動』。

この小説を読むと、「感動する!」「笑える!」「泣ける!」

そんな小説で満足ですか?

「“感情の実用書”としての小説に飽きた人」におすすめの一冊です。


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小川洋子 著『約束された移動』 感想・評価

え、文学的で怖い

第一印象はこれじゃありませんか?

「自分なんかが手を出して良いものか……」って遠慮してしまう厳かな雰囲気があります。

ただ、読んでみると全くそんなことはありません。

このブログには、読んで良かったと思った作品しか書かないことにしているのですが、

「読まなきゃ損だな」と思って書くのは初めてです。

何が面白いのか。

それは、この作品が「芸術」であることです。

最近の小説は、泣くためや笑うため、自分の感情を自分でコントロールするための「ツール」になっているものが多い。

しかし、『約束された移動』は、「芸術」なんです。

これは、結構すごいことだなって思います。

本に翻弄されるんです。

時間も忘れて没頭し、移動の時、食事の時、ふとしたときに本の内容を思い出す。

ちょっとだけ現実(常識)とずれた物語と、うっとりするほどきれいで文学的な文章。

暗示的で分かりにくいものの中に、自分なりの解釈を持ち込んでいく。

いや、むしろ持ち込まずにはいられない。

「これは一体何を伝えたいのだろう」と考えずにはいられない。

そんな能動的になる面白さがこの本にはあるのです。

文章が難しいことなんて全くありません。

ただその文学的で不思議な音色を響かせる小川洋子さんの文章に酔いしれることができるばかり。

一生本棚にしまっておきたいと、心からそう思いました。

文章の美しさが光る傑作又吉直樹著『人間』

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著者について

著者の小川洋子さんで一番有名なのは、『博士の愛した数式』ですかね。

本屋大賞を受賞し、映画化もされている代表作です。

他には、デビュー作の『揚羽蝶が壊れるとき』、芥川賞受賞の『妊娠カレンダー』、泉鏡花文学賞受賞の『ブラフマンの埋葬』などがあります。

特徴的なきれいな文章に魅了される人は多く、ファンの多い作家さんの一人です。

内容について

内容は、6つの短編で構成される短編集

これがいいんですよね。

短編という形が、純文とすごくマッチしている。

冗長的にならず、良いところだけをぎゅっと凝縮してくれる。

長い話は読み切れないし、

堅い話は普通に飽きる ……

という人にもおすすめできる一冊です。

良いところから始まり、良いところをぼかしたまま、良いところで終わる。

そして、6つの短編全てに共通するように流れる「人生」というテーマ。

「約束された移動」とは、すなわち「人生」を表している。

そういう視点で改めて6つの短編を読むと、また違った味わいが楽しめます。

~人生で本当に大切なものを考える~東山彰良『小さな場所』

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まとめ

ここまで小川洋子 著『約束された移動』の感想を書いてきましたが、いかがだったでしょうか?

純文好き、小説好きは即買いの一冊です。

間違いなく面白い。

どこか不思議な物語の世界へと連れて行ってくれる、“感情の実用書“ではない“芸術作品”をあなたもぜひ!

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それでは良き読書ライフを!!

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