【書評・感想】東野圭吾著『超・殺人事件』炸裂のブラックユーモア!「超」の付く8つの事件!

【感想】東野圭吾著『超・殺人事件』炸裂のブラックユーモア!8つの「超」の付く事件! ミステリー

東野圭吾の文庫本新刊「超・殺人事件」

とても普通ではなさそうなこの小説は、「とある作家が「殺人事件」の原稿を書いていて……」が基本のストーリー。

「殺人事件」と作家が絡んだり、「殺人事件」と読者が絡んだり、「殺人事件」とその原稿を読む側の殺人事件が絡んだりと、

おふざけで書いたんだと言わんばかりの、よくわからない作品ばかり。

“メタ”の視点からアイロニーたっぷりに「作家の裏側」を描き、面白可笑しいミステリーへ。

東野圭吾のブラックユーモアが炸裂します。

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東野圭吾 著『超・殺人事件』あらすじ

東野圭吾の隠れた名作! ベストセラー作家の苦悩とは。

人気推理作家を悩ませるのは巨額の税金対策。執筆経費を増やすため、
小説の舞台を北海道からハワイに変えたり、ゴルフやカラオケの場面を強引に入れたり、物語はおかしな方向へ――。(「超・税金対策殺人事件」)
見切り発車で書き始めたが思いつかない結末、うっかり使い回してしまったトリック、褒めるところが見つからない書評の執筆。
作家たちの俗すぎる悩みをブラックユーモアたっぷりに描いた、切れ味抜群の8つの作品集。

https://www.kadokawa.co.jp/product/321909000274/

こんな人におすすめ!!

  • ブラックユーモア好き
  • 短編集好き
  • 普通じゃないミステリーを読みたい

『超・殺人事件』のここが面白い!

1.ブラックユーモアと妄想

「作者のブラックユーモアの爆発を小説という形にしたらこうなった」と言わんばかりの作品集。

ブラックユーモアと妄想のダブルコンボです。

「高齢化が進み過ぎたら?」

「自分の書いた小説の通りに殺人が起きたら?」

「税金対策のために小説を改編していったら?」

「書評を自動で生成してくれる機械があったら?」

などなど。

「思わずクスッと笑ってしまうもの」、「うわっと騙されてしまうもの」、「どうなってんだよこれと呆れ笑いをしてしまうもの」まで。

タイトルから全く予想が付かない話の連続に、「次はどんな話なんだ?」と期待をさせられ・・・・ます。

毎朝1話読んで、それから学校に行きたくなるような、そんな作品集です。

2.もはや東野圭吾のエッセイ

本作の最後の一文がこちら。

「読書って一体なんだろうな、と黄泉は思った」

冗談のようなお話の中にも、考えさせられるところがちらほら見え隠れします。

税金やら、 高齢化やら、賞の審査やら、小説のオチやら、小説の枚数やら。

これは、東野圭吾が思うところのあるものを”小説”の形にしたエッセイ集なのではないか。

読んでいると、そんな気がしてきました。

「超高齢化社会殺人事件」や「超長編小説殺人事件」といった、その極端に過ぎるような話の中に東野圭吾の魂の叫びが込められているような気がします。

「超税金対策殺人事件」に関しては、”税務署員”を「サディストめっ」と罵っていますから。

普通にエッセイとして書けないことを、小説として表現しようとしたのかもしれません。

3.“3ページ”の短編小説

超・印象的だった作品が、7つ目の話「魔風館殺人事件(超最終回・ラスト5枚)」。

これがなんと、わずか“3ページ”の超・短編小説。

異色の面白さを放っています。

どういう話かと言いますと、

「魔風館殺人事件」のラスト5枚を書き上げようとする作家が、小説のオチを全く考えていないまま最終回に突入してしまったという話です。

適当なオチを付けては、「ああ、どうしよう。このままじゃ作家生命絶たれちゃうよ」と嘆く作家。

“3ページ”で一体どんなオチを迎えるのか、ぜひその目でお確かめを。

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著者の関連作、次に読むなら……?

著者のおすすめ関連作をいくつか紹介!!

①心がほわっと「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

言わずと知れた東野圭吾の傑作です。

②ガリレオ飛躍の一作「容疑者Xの献身」

直木賞を受賞した「ガリレオシリーズ」第三作目『容疑者Xの献身』。

ガリレオ知らなくても読めますよ。

③がっつりミステリー「仮面山荘殺人事件」

中々知られていない東野ミステリーの秀作。

ラストのインパクトがえげつないです。

「仮面」の意味が強烈に……。

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まとめ

『超・殺人事件』のここが面白い!

  • ブラックユーモアと妄想
  • もはや東野圭吾のエッセイ
  • “3ページ”の短編小説

全部で8つの作品が詰まった短編集「超・殺人事件」

どの話もいかれていますが、どの話も面白いです。

「異色の面白さ」という意味でのイチオシは「魔風館殺人事件」ですが、「興味深さ」という意味でのイチオシは、「超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)」。

“メタ”の意味が一番強く出ていた作品で、「えっと、どういうこと?」と慣れない話の構造に頭をひねりながら読むのが楽しかったです。

ブラックユーモアが好きな人、そして東野圭吾の魂の叫びを聞いてみたい人におすすめの一冊です。

ぜひご一読を!!

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