【感想・評価】辻村深月『ツナグ 想い人の心得』死者との再会を叶える仕事を描く、純度100%の感動小説!!【待望の続編】

【感想・評価】辻村深月『ツナグ 想い人の心得』死者との再会を叶える仕事を描く、純度100%感動小説!! 純文学

どうもSoneyuです!

100万部を突破したあの『ツナグ』から9年!

待望の続編『ツナグ 想い人の心得』が刊行されました!

本当に心地良いですね。

辻村深月さんの文章。

綺麗で透き通った感じがします。

別に親じゃないのに、「母の心得」っていう章を二回読んで二回とも泣いちゃいましたよ(笑)

純粋に綺麗事100%の感動小説です。


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【感想】辻村深月『ツナグ 想い人の心得』まだ読んでない人

どんな人におすすめか?

  • 『ツナグ』を読んだ人、映画を観た人
  • 親しい人の死に苦しむ人
  • 感動を求める人

どんな物語か?

「使者」ツナグという仕事をしている主人公が依頼人の話を聞いて死者との再会を叶えていく、というのが大まかなストーリー。

前作の『ツナグ』を知らなくても楽しめないことはないけど、どうせならこの機会に『ツナグ』も読んでみるといいと思う。

文庫も出てるしね。

内容に触れていくと、

まず5つの章に分かれていて、それぞれの章の中で依頼人の人生にまで踏み込んだ深いストーリーを展開している。

一つ一つが独立した短編集のよう。

だけど、主人公の話が全体を貫く1本のストーリーになっているから、物語にまとまりもあって読後感が爽やか!

Soneyu
Soneyu

この続編も読みたい

どこが面白いのか?

本書の面白いポイントは、「感動」

何か学びがあるとか、深いメッセージ性があるとかではなくて、ただただ「感動」色が強い。

そもそも、死者に会えるっていう綺麗事を書いているわけだから、話も綺麗じゃなきゃつり合わない。

だけど、「感動」と一口に言っても一種類じゃなくて。

自然と顔が綻んでしまうような温かい場面もあれば、

映画のラストシーンばりに涙が出てくるところもある。

そして、その感動を与える根底にあるのが、キャラの人生のリアルな描写。

これが結構すごくて。

オリジナルの短歌や、ドイツ語の会話が出てきたり。

そういうディテールにこだわっているから、こんなに感情移入ができるのよ。

映画の『ツナグ』はこの描写の積み重ねが出来てなかったからあんまし感情移入出来なかったけど。

小説はちゃんとキャラの人生を掘ってるから、スルッと入り込める。

そこはほんとにさすが辻村深月さんだなって(笑)

Soneyu
Soneyu

読む前から面白いんだろうなって思って、読んでも期待を下回ってこないって結構すごいことだよね(笑)

【感想】辻村深月『ツナグ 想い人の心得』もう読んだ人

一番心に残ったフレーズは?

「カメの甲羅の色で迷ってるとしたら、緑でしょ」
「作ってないよ」
「じゃ、作りなよ。赤とか青とか、実際の色と違うポップな色にするのは子供騙しだと思うなー」

『ツナグ 想い人の心得』

考えたらこれが一番印象的だった。

小学生にして秋山家当主、子供とは思えない利発な少女、「杏奈」。

このキャラも作品の一つの魅力になってましたよねー。

こういう子供のくせに子供っぽくないことを言うキャラ。

僕個人的に創作の中だけの存在だと思ってるんですけど、現実にいるものなんですかね?

Soneyu
Soneyu

いつか会えたら楽しそう(笑)

作品のテーマは?

テーマはやっぱり「感動」かな。

特に「母の心得」なんかは個人的にすごく好きでした。

水難事故で娘を亡くしたお母さんと、病気で娘を亡くしたお母さん。

娘を亡くしているという事実は同じなのに、受け止め方はまるで真逆で。

でも、娘に赤ちゃんを産む許可をもらったあの夫婦はこれから幸せな家庭を築くでしょうし、

間近に迫る死を感じるあの婦人も娘との再会を思いながら、憂いのない余生を過ごすでしょう。

そうやって人が前を向いて生きようとする姿にも人は「感動」するんだって実感しました。

Soneyu
Soneyu

なんせ二回読んで二回とも泣いたんで(笑)

作者は何を伝えたいのか?

作品全体を通して感じたのは、「温かく前向きな気持ちにさせてくれる」ってこと。

作者からしたら、

現実でどうにもならない悲しみや苦しみを、小説を通して消化してほしいという思いがあったかもしれないし、

もう一度死者に会うことを望む登場人物たちを見て、悔いの残らないような過ごし方をしよう、と思って欲しかったのかもしれない。

何を感じるかはその人の人生次第で分からないけれど、

とにかくこの作品からメッセージ性として感じるのは、「亡くなった人の思いを胸に、前に進んで欲しい」という背中を押すような力強い励ましの言葉

主人公が最後祖母のことを思い出しながら告白の決意を新たにした、あのシーンが全てを表していると思う。

まとめ


85点かなー。

「感動」はすごくしたんだけど、それ以上がなかったというか。

作者もそこを狙って書いていると思うから、これは完全に僕の好みのせいかもしれないけれどね。


さて、ここまで辻村深月 著『ツナグ 想い人の心得』の書評をしてきましたがいかがだったでしょうか?

『ツナグ』から9年ぶりの待望の続編ということで、まだ読んでいない方はぜひ前作から読んでみては?

死者との再会を叶える仕事「使者」を描いた本作。

死者との再会を通して彼らは何を思うのか。

力強く一歩を踏み出す力をくれる、温かい作品です!

ぜひご一読を!!

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