【感想・評価】村田沙耶香『生命式』人間を食べて弔う“生命式”とは!?常識をぶち壊せ!!【衝撃作襲来】

【感想】村田沙耶香『生命式』人間を食べる!?常識をぶち壊せ【衝撃作が来た!】 純文学

どうもSoneyuです!

今回価値観をぶっ壊しにくるとんでもない作品に出会いました!

いつかくるかもしれないって思う。

人を燃やす“葬式”に代わって、人を食べる“生命式”が日常になる時代。

「ホラーじゃねえか…」と感じることが、我々がいかに常識という価値観に囚われているかを教えてくれます!!

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【感想】村田沙耶香『生命式』 まだ読んでない人

どんな人におすすめか?

  • 新しい価値観に出会いたい人
  • 常識に囚われたくない人
  • 読書を通して何かを考えたい人

どんな物語か?

12の短編集。

どれも強烈な物語ばかりで、作者の独特な感性で殴られたような感触があったね。

数ページで終わるものから、数十ページに及ぶお話まで、バラエティに富んだ短編が詰まっているんだ。

特に、人を食べて人を弔う「生命式」を描いた『生命式』と、

ラストの誰もが持っている「ペルソナ」の本質を深堀した『孵化』は

かなりインパクトが強くて、何回も読み返した。

皆が何となく感じている現実への違和感

物語として極端に肥大化させて作者のフィルターを通して生まれたのが、この『生命式』なんだろうね。

どこが面白いのか?

やっぱり1番の魅力は、『コンビニ人間』を書いた村田沙耶香という人間の感性がモロに出ていることだね。

表題の『生命式』という短編を例にとると、

普通人肉を食べるなんてのは、『東京喰種』のように常識から外れた行為として描かれがちなんだけど、

この『生命式』では、それが常識となった世界を描いているんだ。

「正常は狂気の一種」という言葉がとても印象的で、

僕らから見たらこの世界は発狂だけど、でもそれは時代が移り変わるにつれて、正常になってゆく可能性もあるんだって感じる。

もしかしたら、僕らの子孫は人肉を食べているかもしれないっていうね(笑)

背筋がゾゾゾっとする(笑)

奥さんがそう言いながら鍋のふたをあけた。
白菜やえのきと一緒に茹でられた中尾さんが入っていた。

『生命式』ー『生命式』

僕らがホラーのように感じるその世界が、作者には正常として見えていることが、この小説の面白いところで、

僕らの価値観や常識を広げてくれるんだ。

【感想】村田沙耶香『生命式』もう読んだ人

一番心に残ったフレーズは?

ユキが、
「これ、ポチ」
と、私のお父さんと同じくらいのおじさんを小屋から出してきたとき、心の中で仰天した。

『生命式』ー『ポチ』

仰天したのは、こっちだって(笑)

かなり激烈なこの『ポチ』というお話。

大手町で拾ってきたサラリーマンを小学生の女の子ふたりが飼う・・っていうストーリーなんだけど。

まず一番怖かったのが、

主人公の女の子が、ペットの中年おじさんを見せられて最初に言った言葉、

「首輪、つけたほうがいいんじゃない?」だったこと。

「こんなのおかしいよ!」とか「警察に通報する」でもなく、首輪て(笑)

こんなお話でも、メッセージ性ははっきりしてて、

  • 人間が自らのエゴでペットを飼うことは果たして正しいのかという疑問を、人間をペットとして描くことで強調している
  • 「ニジマデニシアゲテクレ」という言葉しか発しないこととか、逃げようとしないことから、大手町で働くサラリーマンの厳しく残酷な現実を表現している

サラリーマンを小学生が飼うっていう半分冗談のような話で描かれているけど、

「ありえねえだろ!!」って突っ込めないところが最もホラー。

東京で働く人はぜひともお気を付けを。

作品のテーマは?

一言で言うなら、「常識の先へ」でしょう。

どれもこれも、普通の人が踏み出して考えられない常識をぶっ壊して

さらにその先の世界を描きつつ、

こちらに問題を突きつける形で終わっている。

  • 中一で初体験を済ませた女の子の「性」への考え(『魔法のからだ』)
  • 東京でその日食べる分の野菜を探して摘んで帰る生活(『街を食べる』)
  • 多様化した食はその人の文化そのものだという主張(『素晴らしい食卓』)

言われればそうだなって頷いてしまう世界を、作者は常識を超えることで僕たちに見せてくれる。

それにしても村田沙耶香さんは、変人を描くのが上手すぎる(笑)

満員電車で興奮する人がいるなんて、思いもしなかったよ(笑)(『パズル』)

『コンビニ人間』を思い出したね(笑)

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作者は何を伝えたいのか?

今回は短編集だから、一貫した何かあるってわけじゃないんだろうけど、

一つ感じたのは上に書いた「常識に囚われないこと」かな。

意図してるのか分からないけど、村田沙耶香さんの物語は確実に僕らの価値観を拡張してくれる。

あとは、短編一つ一つにフォーカスすると。

例えばラストの『孵化』は、「ペルソナ」っていう誰しもが持っているものを深掘った話で、

読んだら間違いなく自分はどうだろうって考えるよね。

  • 本当の自分ってなんだろう、とか
  • 自分は何個のペルソナを持ってるのかな、とか。

『孵化』のお話の中で何が正解だって示されてるわけじゃなくて、

結局主人公は新たなペルソナを作っただけっていう終わり方で、

その極端なリアルを示すことで、僕たちに考えてほしかったんだよ。

そこが読書の良いところだよね。

読んだ小説をスコップにして、自分の内面をどんどん深く掘り下げていく。

僕なんか読み終わって30分くらい1人で考えてた(笑)

それだけ深くて面白いってことだよね。

100点満点でつけるなら?

90点だねー。

独特な感性で殴られる感じがすごい気持ちよくって面白かったんですけど、

短編集の短所でもあるのかな。

あんまりしっくり来ない話もあったっていう理由で85点です。

『夏の夜の口付け』と『大きな星の時間』と『かぜのこいびと』があんまり好きになれなかったかな。

12コも入れる必要あったのかな。

まとめ

ここまで村田沙耶香著『生命式』の書評をしてきましたが、いかがだったでしょうか?

常識の先の世界で、僕らの価値観をアップグレードしてくれる、そんな物語が詰まっています!

自分の知らない世界を知って、何かを考えたい人におすすめの一冊だね!

人肉を食べる世界って聞いたら、怖いけど読まずにはいられないでしょ(笑)

ぜひご一読を!!

↓新しい世界を知りたい人へ!!

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