【感想】湊かなえ『落日』劇的な展開があるわけじゃない。でもページをめくる手が止まらない、そんな物語。

ミステリー

どうもSoneyuです!

今回は、湊かなえさんの『落日』を読み終えたのでネタバレなしでレビューを書いていきたいと思います!

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湊かなえ 著『落日』 あらすじ

湊かなえの新たなる代表作、今年最高の衝撃&感動作。重い十字架を背負って生きる人々の心の叫びと希望の灯。“落日”の向こうに見える未来とは!?入魂の書き下ろしミステリー長篇。新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。『笹塚町一家殺害事件』引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた。15年前に起きた、判決も確定しているこの事件を手がけたいという。笹塚町は千尋の生まれ故郷だった。この事件を、香は何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。“真実”とは、“救い”とは、そして、“表現する”ということは。絶望の深淵を見た人々の祈りと再生の物語。

http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=6079

こんな人におすすめ!

  • 身近な人の“死”に悲しんだこと、苦しんだことのある人
  • “死”と向き合うことがどんなことか知りたい人
  • 天才の辿った道に興味のある人

皆さんは“落日”と聞いて、どんな印象を持ちますか?

ぼくは、暗い、もっと言うと死を連想するようなイメージを持ちました。太陽が落ちるんですから。

でも、作中では、この“落日”は少し違う意味を持つんです。

ふとしたときに、夕日を見上げたくなる、そんな意味を。

感想【ネタバレなし】

読むのにそれなりに時間がかかる

ぼくはトータルで7時間かかりました。

  • 重いテーマ
  • 400ページ弱のボリューム
  • ちょっと分かりにくい文章

理由としてはこんな感じですかね。

ぼくの読解力不足か分からないけれど、「ん?どういうこと?」ってなる箇所がいくつかあって、読むのに時間がかかっちゃいました笑

皆さんはどのくらいかかりましたか?

これから読む人はぜひ測ってみて。

長編の中に短いストーリー

登場人物の過去に関するショートストーリーが多く展開されます!

Soneyu
Soneyu

これが面白い!

このひとつひとつのショートストーリーが繋がって、最後の『笹塚町一家殺害事件』の真実へと。

ショートストーリーの中には、救いのない、虚しく悲しくなるものも多いけれど、全体を通して読むと、イヤミスと言われる湊かなえさんにしては、生きている登場人物全員に救いが残るような書き方をしています。

様々なテーマが見えるショートストーリーが面白いんだから、全体が面白くなるのは当然だよね!

中心として描かれる二人は、対照的な“死”の向き合い方を

本作で中心に描かれるのは、“長谷部香”と“甲斐千尋”の二人です!

この二人とも、過去に自分に大きな影響を与える“死”を経験しているのですが、驚異深いことに二人の“死”の受け入れ方が真逆なんです。

一人は真っ向から向き合って真実を知ろうとしますが、もう一人は死んだこと自体をなかったことにします。

ほんとに他人事ではないと思いました。

もし自分がそういう立場に立ったとき、真正面から向き合えるのか、どう向き合うべきなのか、考えさせられます。

Soneyu
Soneyu

“死”は自分の人生を変えてしまうほど重いものだということを痛感しました。

史上稀に見るクソ野郎

作中に一人、かつてないほどのクソ野郎が登場します。

こいつがすべての元凶、諸悪の根源だと言って差し支えないほどの。

どいつのことかは実際に読んで確かめてほしいのです。

作者はきっとこいつのような人間も現実にいるのだと伝えたかっただと思います。

“道を絶たれた天才”と“道を歩き始めた天才”

この物語は“死”と向き合う人々を描くのと同時に、二人の天才を対照的に描いた物語だとぼくは思います。

世界に注目される新鋭の映画監督“長谷部香”がどんな道を歩いてきたのか。

“こうして天才は誕生す”という物語としても読める、これが面白い!

数々の“死”を経験するような、特別な人間には特別な人生があるのだと強く感じました。

“道を絶たれた天才”はネタバレになっちゃうからぜひ自分で確かめてみて!

まとめ

ここまで『落日』の感想を書いてきましたが、いかがだったでしょうか?

“死”と“才能”を描いた物語!!

久しぶりに重いの読んでみたいという方にもオススメです!

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