池井戸潤最新作!ドラマと小説の違いは?“日本蹴球協会”は実在するのか?池井戸潤著『ノーサイド・ゲーム』書評

スポーツ

ドラマ化もされて、話題沸騰中の本作!

小説も面白いです!

なんですかね、この面白さ。

安定した面白さなのに、予想を超える面白さで、いつのまにか感情ごと飲み込まれているような。

池井戸潤十八番の社内政治あり陰謀あり超熱い展開ありで、さすがという出来映えでした。

文字通り、ページをめくる手が止まらない小説に、久しぶりに出逢った気がします。

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ここに注目!ここが面白い!

注目すべきは、「ジェットコースターのような高低差のある、はっきりとしたメリハリ

クールで知的な論戦、権謀術数の社内政治があるかと思えば、

ラグビー部の筋骨隆々でごりごりの男たちが、満員になったスタジアムを見て、全員がそろいもそろって思わず号泣したり、

決勝戦前にファンから送られてきた応援メッセージを聞いて、またもや号泣したりと。

クールから熱い展開へと、その高低差がたまらないですね。

小説とドラマの違いとは!?

小説のメリットは、圧倒的時短になることと、池井戸潤の世界をありのままに感じられることですかね。

小説は想像の力でどこまでも世界が広がりますから。そういう意味で言うと、ドラマよりも広い世界なんですかね。

ドラマだと、尺の都合や、監督の演出、俳優の演技など、どうしても言い方は悪いですけど、不純物が混じってしまいます。

その点、小説は池井戸潤さんが書きたいものを直で受け取ることができるのです。

逆にドラマの良いところは、演出の幅が広いところです。

音楽とのマッチだったり、俳優さんの細かい演技だったり、監督の粋な演出だったり、特にラグビーの試合のシーンは小説だと細かい動きまでは伝わってこないので、そこは完全にドラマ向きだと思います。

だからこそ、組み合わせて楽しむのはありだと思います。

小説でわかりにくかったところをドラマで確認し、逆にドラマでカットされた場面や気になったところを小説で読み直すといった味わい方もありなのかな。

「日本蹴球協会」って実在するの?モチーフはあるのか?

僕が読み終わって一番気になったのが、読者を大変イライラさせた「日本蹴球協会」が実在する組織なのかどうか

調べてみたところ、「日本蹴球協会」や「プラチナリーグ」と同じ名前の組織は存在しません。あくまでフィクションとして池井戸潤さんが構想したものでしょう。

実は、現在の日本サッカー協会の前身だった「日本蹴球協会」と全く同じ名前なんですけど、関連は全くありません。

検索するとこっちがヒットしますね笑

ただ、準ずると思われる組織として「日本ラグビーフットボール協会」があります。

「ノーサイドの精神」を、日本へ、世界へ。

という理念を掲げ、「ジャパンラグビートップリーグ」という作中で言う「プラチナリーグ」のような社会人ラグビーの全国リーグを総括しています。

そして、気になるのが「日本ラグビーフットボール協会」が実際に腐っている組織なのかどうか

池井戸潤さんはこの小説のために、ラグビー協会や社会人チームにかなり取材に行ったそうです。だからこそ、小説であそこまで具体的に書けるのですね。

僕は新聞記者とは違って、出禁になっても困らない(笑)。だから本当のことが書けるかも知れませんね。

「半沢チームには任せておける」ドラマ化続く池井戸潤、“日曜劇場”への思い https://www.oricon.co.jp/special/53243/

この言葉を聞くと、ラグビー協会の話もかなり真実味を帯びているものだと分かります。

さらに実際にですね。

81才の名誉会長が突然アポなしで理事会に出席し、80才の会長を批判するなど一方的に発言し、その後自らの職を辞すと発表する、という役員のゴタゴタも現実に起こっています。

また、作中と共通する現実として、観客動員数が平均五千人とかなり伸び悩んでいることが挙げられます。

もしかしたら、君嶋のように地域密着の戦略をとって、まさに小説と同じような軌跡をたどるチームもあるかもしれませんね。

まとめ

ここまで『ノーサイド・ゲーム』の書評をしてきましたが、いかがだったでしょうか?

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