【書評】芥川賞を二時間でサクッと読みたい人、社会の「普通」が嫌いな人におすすめ!『コンビニ人間』

文学賞

「その歳になってまだ結婚してないの?」、「独身でアルバイトってやばくない?」

いたるところにあふれている「普通」の圧力。「グローバル化」が進み、多様性が認められる世の中になってきたと人々は言いますが、すべての人が受け入れられる世の中では決してないのだと感じました。

約二時間でサクッと読める芥川賞受賞作品社会の見えにくいところを抉り取った、素晴らしい小説です。気になった方はぜひ手に取ってみてください!

スポンサーリンク

『コンビニ人間』 村田沙耶香 著  書評

普通」とは何か?それを考えさせる作品であったことは間違いないです。

まず、衝撃を受けるのが主人公の独特な性格。共感能力に欠き、極端なまでの合理主義者の彼女。

特に印象深かったのは、公園の死んだ小鳥を持ってきて「お父さん焼き鳥好きだから、これを焼いて食べよう」と言ったシーンですね。これには面白くて声をあげて笑ってしまいました笑

こんな性格の彼女は到底社会に受け入れられるはずもなく、彼女のほうも「普通」を理解できないようでした。

そんな時彼女が出会ったのがコンビニバイトです。コンビニのバイトを通して社会の歯車に組み込まれた喜びを彼女は感じることができたのです。

もしこのようなことが現実でも起こっているとしたら、この社会は正しいのでしょうか?正しくなかったとしたらどう変わっていくべきなのでしょうか?

僕は、彼女のような人間はもっと尊重されるべきだと思うのです。

人間の社会を進化させてきたのはいつだって「普通」じゃない人間です。もちろん社会の維持のために「普通」の人間は必要ですが、彼女のような人間が社会によって押しつぶされて埋もれていると思うとひどく残念な気がしてなりません。

皆が個性を尊重して、される社会、それを目指すべきなのではないか?そして、そのためには何をすべきなのか?

そんな問いを投げかけられているような気持ちになりました。

また、最後の終わり方も非常に印象的でした。

彼女にとって生きる居場所であるコンビニに、甥っ子の生まれたときの情景を重ねるさまは、「普通」の圧力に押しつぶされようとしていた彼女が自分の居場所を見つけ生まれ直すことができたハッピーエンドというよりも、「普通」ではない人たちがコンビニのような場所にしか自分の価値を見いだせない社会に対する批判のように感じました。

まとめ

普段から「普通」に反感を持っている人には心に刺さる小説でしょうし、「普通」でいたい人には視野を広げてくれる物語になっていると思います。

気になっている方はぜひご一読を!

コメント