【ネタバレ解説】『きみの世界に青が鳴る』「階段島シリーズ」完結!

書評
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『きみの世界に青が鳴る』 河野裕 著 あらすじ&解説

真辺由宇。その、まっすぐな瞳。まるで群青色の空に輝くピストルスターのような圧倒的な光。僕の信仰。この物語は、彼女に出会ったときから始まった。階段島での日々も。堀との思い出も。相原大地という少年を巡る出来事も。それが行き着く先は、僕と彼女の物語だ。だから今、選ばなければいけない。成長するとは、大人になるとは、何なのかを。心を穿つ青春ミステリ、堂々完結。

新潮社公式サイト(最終閲覧日6月2日)
https://www.shinchosha.co.jp/book/180146/

捨てられた人々の暮らす不思議な島、階段島を舞台に高校生たちの一風変わった青春を描く「階段島シリーズ」の最終作です!

第一作いなくなれ、群青

第二作その白さえ嘘だとしても

第三作汚れた赤を恋と呼ぶんだ

第四作凶器は壊れた黒の叫び

第五作夜空の呪いに色はない

と続きます!

【ネタバレあり】『きみの世界に青が鳴る』【解説】

七草の理想

途方もない距離だったとしても、ピストルスターの近くに僕たちが立てたなら。

ピストルスターは僕たちの空を、青く青染めるだろう。

現実はそうでなくても、その空が僕の目には見えなくても。

彼女の声を聴くたびに、その声を思い出すたびに、僕の世界に青が鳴る。

『きみの世界に青が鳴る』 河野裕 著

七草は、自分が間違えていたと気づきます。

真辺由宇は、自分の理想ではなくて、ただの女の子なんだと。

概念には届かない一人の女の子なんだと自覚し、真辺を永遠に続く魔法から救い出します。

つまり、七草は真辺由宇そのものを理想として信仰することをやめたってことですね。

真辺との関わりを通して自覚した自分の理想と、真辺由宇という女の子は、別のものなんだということに思い至ったということです。

これからも七草はきっと、自分のピストルスターを追い続けると思いますが、そのピストルスターは真辺由宇ではなくなりました。

「階段島シリーズ」で作者が伝えたいこと

この「階段島シリーズ」を通して、作者が伝えたいこととは何なのか?

僕は、それは「人との関わりなんだと思います。

七草がそうであるように、人との関わりの中で、自分という存在が形作られていく。

自分を捨てたり、拾ったりするのも、結局は人と関わったからそうすることを決意したわけで。

真辺も、大地も、階段島にいる人格のすべてが、そうした関わりの中で捨てられたものなんです。

つまり、何が言いたいかっていうと。

僕たちは、この世界で生きていく中で、自分が嫌いになったり、本当の自分を探したりするかもしれない。

でも、「自分」っていう存在は、自分だけで作れるものではなくて、誰かとの繋がりの中で自ずと自覚して気づいていくもの。

だから、人との出会いを大切にして、その思い出を抱えながら生きていくことが大切だって、

作者は伝えたかったんじゃないでしょうか?

まとめ

繊細な文章で、読む人の心を穿つ「階段島シリーズ」。

なんだか、数年後にまた読み返したくなるような作品だと思います。

若い人には、必読の小説です!

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