【書評・感想】加藤シゲアキ著『できることならスティードで』「広義の旅」がテーマのエッセイ集!著者の思考と感性を味わう一冊!

【感想】加藤シゲアキ著『できることならスティードで』「広義の旅」を綴ったエッセイ集! エッセイ

「できることならスティードで?」

なんだか変なタイトルだなと思って手に取った、加藤シゲアキの初エッセイ集。

“スティード”という聞き慣れない単語の正体は、ホンダの”スティード400″というバイクの名前でした。

エッセイではなく、書き下ろしの短編小説の中で登場するこのバイクは、旅の象徴そのものであるかのように描かれています。

エッセイの中に潜む、このおまけのような3つの短編が、僕はとても好きです。

著者加藤シゲアキの生と虚構の間をさまようような一冊。

今回紹介するのは、そんな一冊です。

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加藤シゲアキ 著『できることならスティードで』あらすじ

広義の”旅”がテーマとなる、著者初のエッセイ集。

大阪やパリ、スリランカ旅の話から、学校に行く意味を考える「小学校」、

2019年7月に亡くなったジャニー喜多川氏との邂逅を綴った「浄土」など、

本書の“旅”は、何気ない日常生活から深い思索の底まで多彩。

「小説トリッパー」掲載の14編をまとめ、

さらに単行本のための書き下ろしとして、連載と同形式のエッセイ1編とあとがき、

および[intermission(小休止)]となる掌編小説3編を収載する。

こんな人におすすめ!!

  • 加藤シゲアキファン
  • 深い思索系エッセイが好き
  • 旅系エッセイが好き

『できることならスティードで』のここが面白い!

1.何足ものわらじを履く“加藤シゲアキ”の生活

アイドルであり、役者であり、作家でありと、異色の肩書きを持つ”加藤シゲアキ”の生活が、エッセイからちらりほらりと顔を出します。

「落語に挑戦して四苦八苦する姿」や「舞台の役にとことんまで入り込む姿」を書くこともあれば、

「番組のロケで変わった家族に会いに行った話」や「”NEWS”のある歌の歌詞が好きだという話」をすることもあり、

「この人が普段どんな生活をしてどんなことを感じながら生きているのか」ということが何となく見えてきます。

小説では味わえない、エッセイの魅力です。

多忙な日々の合間を縫って、「海外へ旅に出て」、「趣味の釣りをして」と、自分を見失わない生き方をしている”加藤シゲアキ”という人物には感銘すら覚えます。

端的に、かっこいいんですよね。

ちなみに、釣りにハマる話の中でちょこっと出てくる”大野智”との会話にはテンションが上がりますよ。

2.「広義の旅」とそこに宿る感性

一口に「旅」と言ってもいろいろだと、このエッセイが教えてくれました。

「釣りに行く」のも旅、「肉体を鍛える」のも旅、「過去を懐かしむ」のも旅、「自分の故郷を考えてみる」のも旅。

もちろん、スリランカやキューバ、パリにニューヨークと、実際に旅に行った話も出てきます。

しかし、日常にはたくさんの「旅」があるのだと、そう教えてくれる旅じゃない旅の話が僕は好きでした。

いずれの話にも共通しているのは、著者の感性がバチバチに表出しているということ。

羨ましいほどに「人生を生きているな」と感じました。

読めば読むほど、この人はなんて濃い日々を過ごしているのだろうと感じます。

小説では味わえない「感じ方」がエッセイではできます。

“加藤シゲアキ”なる人物がどんな経験をしてどんなことを感じたのか、それは僕たちにとっても発見であるし、一緒に「旅」をしている気になり、そういう「旅」をしてみたいと心の底から憧れるものでもあります。

“加藤シゲアキ”の小説しか読まないという人にぜひ読んでほしい一冊です!!

3.書き下ろし短編小説

本書の特徴は、エッセイだけでなく、書き下ろしの短編小説が収載されていること。

冗談抜きで想像以上の面白さ。

僕はエッセイの方に興味があったので、読み飛ばすつもりで斜め読みしていたのですが、できなかったです。

この人、本当にアイドルなんでしょうか。

つい疑問が漏れる秀逸さ。

全部で3つの短編は、「旅」をテーマにどれも繋がりが感じられる作りをしています。

とりわけ最後の短編はエッセイの最後の章と連動する仕掛けになっていて、そのちょっとしたスパイスが、いいんですよね。

難解過ぎず、軽快過ぎず、ふふっと笑って表紙を閉じられるような絶妙な読後感が溢れる一冊です!

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著者の関連作、次に読むなら……?

著者のおすすめ関連作をいくつか紹介!!

①「ピンクとグレー」

芸能界の光と影を対比するように。

映画化もされ、演出の巧みさが光る一冊です。

加藤シゲアキ小説の入り口にするなら。

②「傘を持たない蟻たちは」

こちらはジャンル様々な短編集。

「インターセプト」は結末に鳥肌が立ちます。

長編苦手な方にもおすすめの作品集です。

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まとめ

『できることならスティードで』のここが面白い!

  • 何足ものわらじを履く“加藤シゲアキ”の生活
  • 「広義の旅」とそこに宿る感性
  • 書き下ろし短編小説

“加藤シゲアキ”の初エッセイ集「できることならスティードで」

全部で15コのエッセイと、3つの短編小説で構成されています。

エッセイ読んだことない人でも引っかかることなく読める本なので、入り口にはベストかな。

「広義の旅」でまとめた本書は、「旅って良いな」、「その国行ってみたいな」、「そうやって生きてみたいな」、何度もそう思わせられる一冊です。

著者の心の震えが、また僕たちの心を震わせる、そんな素敵な作品が詰まったエッセイ集をぜひあなたも!!

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