【感想】あさのあつこ『アスリーツ』“射撃”の世界で、少女たちは青春を奏でる!!

『アスリーツ』の感想記事タイトル画像 スポーツ

どうもSoneyuです!

年間、400冊の本を読む本好きであります!

今回は、あさのあつこ著『アスリーツ』のレビューをネタバレなしで書いていきたいと思います。

240ページほどで、二時間半で読み終えました。

会話多めで読みやすかったですね。

Soneyu
Soneyu

初めて知った射撃の世界。新鮮でワクワクしました!

モヤモヤした読後感があって、読み終えたあと結末について少し考えさせられたりもして。

射撃の世界を知ることも含めて、得るものの大きい作品だったと思います。

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あさのあつこ 著『アスリーツ』 あらすじ

結城沙耶は、中学2年で出場した全日本中学陸上広島県大会100メートルハードル女子決勝で転倒し、失意のうちに陸上部を退部した。親友の松前花奈に誘われ、広島の超進学校・大明学園高校へ進学し、射撃部に入部する沙耶。初めて構えるビームライフルの重さに驚き、個性豊かな先輩たちに励まされ、童顔の監督・磯村辰馬の指導を受けつつ、未知の競技に戸惑いながらも花奈とともに励む毎日だったが――。 オリンピック種目のマイナー競技と格闘する少女たちの喜怒哀楽が渦巻く、心震える青春グラフィティ。

こんな人におすすめ!


  • スポ根好き
  • 射撃に興味
  • 天才にしか見えない景色
  • 青春グラフィティ

射撃に挑戦する女子高生の姿と、友情と嫉妬の結末を描いた

この作品のテーマはこのふたつ。

射撃という新たな世界を、主人公の視点を通して知ってもらうこと。

そして、もうひとつが、

ひとつの友情の結末。

この物語の終わり方は、爽やかさと将来への希望を感じさせつつも、

どこかモヤモヤっとした納得ができないような感じもあって、

この結末がアスリートの世界そのもの頂点を目指すアスリートの生き方なんだと思った。

競技に打ち込んで一番になることっていうのは、何かを捨てることと同義で、そこを乗り越えられたものにしか見えない景色がある。

「何かを変えることのできる人間がいるとすればその人はきっと大事なものを捨てることができる人だ」

読後に一番に浮かんだのが、有名な進撃の巨人のセリフだった。

もっといい結末があっただろうって、少し思ったけど、

これこそが友情のリアルなんだと思うと、納得できるような気がした。

感想【ネタバレなし】

射撃と射撃部の魅力

ぼくも初めて知ったのだけど、射撃というのは「自由」なスポーツなのだという。

ルールを聞くと、ほんとに今までのどのスポーツとも違っていて、とても新鮮な感じがした。

Soneyu
Soneyu

持ち時間をどう使うかは自分次第のところとか

でも、その新鮮さは独特とも言い換えることが出来て、人を選ぶ競技だとも思った。

本書を読んでいるうちに、射撃をやりたくなってきて、自分だったらどうだろうって考えてみたけど、それでわかったのはぼくには絶対に無理だということ。

バスケとか野球とかにハマる人には向いてないんじゃないかなー。

こうやって、新たに知る世界に自分を当て嵌めて考えたり、浸ったり出来るのも、本書の魅力の一つ

そして、もうひとつの魅力が、「ノリとテンポのいい会話」

主人公たちが所属する高校の射撃部員が、とにかくノリがいい。

会話もポンポン弾んで、時にクスッと笑ってしまうような陽気さがあって。

それが読みやすさに繋がっている。

誰でも人を選ばず、軽めに読める作品だと思うよ。

天才の誕生

読み手を引き込む熱い展開、つまり「スポ根漫画系の魅力」が、この物語にはある。

主人公はいわゆる天才型で、

ハードルで1回挫折したんだけど、

射撃に出会って「自由」でなにが起こるかわからない面白さと怖さにどハマりする

そして1年生にして、グングン成果を上げついに全国への切符を掴む。

Soneyu
Soneyu

この展開は、やっぱ王道なんだけど、それ相応の魅力があるよね。周りがどよめく感じとか、強豪校の生徒にライバル認定されるところとか、たまらなくグッとくる。

『ハイキュー』とか『弱虫ペダル』とか『スラムダンク』とか、なんでもいいけど「スポ根漫画」にハマったことのある人なら、楽しめる作品なのは間違いない。

友情と嫉妬

作者が“射撃”の次に描きたかったのが、ここなんじゃないかと思う。


友達を射撃に誘ったのは自分なのに、神様が選んだのは自分じゃなくて、

その友達は才能を発揮してグングンと手が届かないところまで行ってしまった。


Soneyu
Soneyu

ぼくならこんな状況想像もしたくないです。嫉妬するに決まっているから。

嫉妬って人間が持つ中で一番怖い感情だと思う。

自分で抑えきれるものでもないし、集団になった時、とてつもなく恐ろしい力を発揮する。

その人間のどうしようもない部分を作者は描きたかったんだと思う。

そして、モヤモヤする結末を突きつけて、

あなたならこんなときどうしますか?って

作者に問いかけられている気がした。

その嫉妬を抑えきれない弱い部分を克服して強くなることが、人間としての成長なのだと、本書を通して一番に感じた。

人間のリアルな心の機微を丁寧に描いているのも、この小説の魅力。

まとめ

ここまであさのあつこ著『アスリーツ』の書評をしてきましたがいかがだったでしょうか?

とにかく、スポ根系が好きな人、青春の心模様が好きな人には超おすすめ!

射撃の世界は面白いですよ。

ぜひ本書を読んで実感してみてください!

作中で一番グッときたセリフが、

たかだか中、高校生の恋愛。現実味に乏しい、ごっこ遊びに過ぎない。若いもののおままごとだ。と、大人たちは軽んじるけれど、十代には十代の恋愛があり、本気があり、苦痛がある。社会的地位とか、世間体とか、大人の鎧を持たない分だけ、剥き出しになる気持ちがある。

『アスリーツ』
Soneyu
Soneyu

ドストライクの正論だよね?すごい心に響いた。

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