【書評】『青い春を数えて』若者必読!青春のリアルを叫ぶ、自分という存在を受け入れる物語!

モラトリアムからの脱却 書評
スポンサーリンク

『青い春を数えて』 武田綾乃 著 あらすじ


青春期。部活に進路、友情や恋愛、親への反抗――。数えても数えきれない複雑な思いを、葛藤を抱え、少女たちは大人になっていく。「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者、待望の最新刊! “青春”の一言では片づけられない、切実でリアルな思いの数々を、5人の女子高生の視点で描いた珠玉の連作短編集。

講談社BOOK倶楽部公式サイト (最終閲覧日5月12日)
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000312172

こんな人におすすめ!『青い春を数えて』おすすめポイント!

『青い春を数えて』は日本中の全若者に読んで欲しい一冊です。特に高校生ですね。

リアルで青春を送っているからこそ、この小説が伝えたいことに一番共感できると思います。

今の自分が嫌い」、「何でかわかんないけど毎日がつまらない」、「今世界が終わったら楽なのに」そんな風に思ったことはありませんか?

世の中に生きにくさを感じている人の心に深く突き刺さる作品です。

「本当の自分とは何か?」「どう生きれば良いのか?」自分の中の疑問に向き合い、必死に答えを探す女子高生たちの姿に誰もが勇気をもらえます。

少しでも気になった方は是非読んでみてください!

【ネタバレあり】『青い春を数えて』【書評】

ここからネタバレありの書評をしていきます!皆さんも是非感想をコメント欄に書いてみてください!感想を共有しましょう!

五つある短編を順に見ていきましょう!

白線と一歩

個人的に五つの中で一番好きなお話です。

主人公の挑戦に対して恐怖するところ尊大な自尊心を持ってるところが非常に人間くさくてよかったです。

自分の中に飼い慣らせない猛獣がいて、必死に偽りの自分を演じ続ける、その感覚に非常に共感できて一気に心を掴まれた感じがしました。

全体的に動きのある文章で、アニメを見てるかのようでした。特に終盤の雨の中を駆けるシーン。疾走感も加わり、主人公の感情に入り込んじゃいましたね。

そして、ラストの横断歩道を渡る場面。モラトリアムからの脱却を印象的に表していて、気持ちよい終わり方だったと思います。この横断歩道だけでなく、Nコンのセリフなど登場人物の心情に合わせた演出が多く、非常にきれいにまとまった短編という印象を受けました。

赤点と二万

生きるのに向いてない」世の中に生き辛さを感じる少年少女の物語。

優等生の長谷部君の俯瞰したような思考が読んでいて面白かったです。読んでいて思考が面白いキャラっていますよね。例えばラノベで言うと『このすば』のカズマや『幼女戦記』のターニャとか。ラノベ好きな人は一応こちらもhttps://soneyu.com/kokosei-ranobe/

長谷部君の話に戻ると、「生まれた時点で選択肢の数が違うのはずるいと思う」そんな一文がありました。優等生でもそんな風に思うのかとちょっと新鮮でしたね。

こうして他人の思考に触れて自分を客観視できることもあることを学びました。やっぱり自分を受け入れることっていうのは自分一人じゃできないんですよね。

側転と三夏

不出来な姉優秀な妹の微笑ましい日常を描いたお話かと思いきや、皆にちやほやされる愛嬌のある姉に対して劣等感を意識し出した、妹の優秀故の影の感情を写した作品になっています。

このお話を読んで人ってめんどくさい生き物だなと改めて感じました。

優秀でマルチに何でもこなせる高い能力があるからといって、それが人生の満足度に直結しているかといえばそうでもないこともあるんですよね。人に認めてもらうことによって初めて幸せを感じることができるんです。

だからこそ今、SNSにのめり込んじゃう若者が増えていることも実感できましたし、皆が幸せを求めて本当か嘘かも分からない「良いね」に夢中になっていると考えると人間という生物の根幹が見えてくるような気がします。

人は一人では生きられないんだなと。特に自我が確立していない思春期の若者にとっては自分を認めてくれる人、それがたとえネット上の人でもそういう人が必要なんだと思いました。

作戦と四角

眼鏡好きっこ泉ちゃん自由奔放な清水さんの電車内での会話、これがとても面白かったです。やっぱキャラが濃い人同士の会話は引き込まれます。「人類皆眼鏡をかければ良いのに」とは普通思わないですよね笑

そんな数駅だけの会話を経た二人。泉ちゃんについては電車を降りた後「見られたいと思う自分の姿が、私にとっての本当の自分だ」と心が晴れたような描写がありました。これは清水さんとの会話を通して、自分の本当の姿を認めてくれる人がいて、さらに自分と同じように生きている人もいることを知ったからだと思います。

このお話からも、ありのままの自分を受け入れるためには人との関わりが大切になってくることを感じました。

漠然と五体

本当にラストにふさわしい読後感最強のお話でした。『作戦と四角』で登場した清水さん何を決めるにもスマホに頼ってしまう細谷さんの、一日だけのちょっとした電車旅を描いたお話です。

このお話の一番のポイントは電車だと思います。

電車内でたまたま会った二人、清水さんが無理矢理連れる形で電車旅がスタートします。そして、行き着く先が誰も知らない海岸の駅。世界から二人だけ切り離されたような感覚を味わいました。物語の終盤、浜辺で二人の本音がこぼれ合うときも、知らない浜辺が舞台であることがそのシーンをより印象的にしていたと思います。

また、自由で自我を持ってる清水さんと自分で決めることが怖くスマホに頼ってしまう細谷さんが対称の存在として対比して描かれていたのも非常に面白かったです。

ここで大事なのは、自我の弱い細谷さんが 清水さんとの対話を経て 「なんて自分はだめなんだ。清水さんのようになりたい」と思うのではなく、ありのままの自分を受け入れようと決意を持てたことなのだと思います。

作者は、たとえ自分がどんな人間でもそれを受け入れなければ前に進むことはできないということを伝えたかったのだと思います。

まとめ

『青い春を数えて』の書評いかがでしたか?自分が共感できるお話が必ず見つかるはずです。気になる方は是非読んでみてください!

また、他にもおすすめの小説を紹介していますのでよかったらそちらも是非!https://soneyu.com/kokosei-syosetu/

Twitterも始めたのでよろしくお願いします!https://twitter.com/BlogSoneyu

コメント

  1. […] かったらそちらも是非ご覧ください!https://soneyu.com/aoiharuwokazoete/ […]

  2. […] かったらそちらも是非ご覧ください!https://soneyu.com/aoiharuwokazoete/ […]